141字以上で述べよ

Twitterに嵌って3年、140字を超える文章を綴れない奇病を患った漫画原作者の戯言置き場です。

コミックマーケット93に出展しました

新年会で鼻息荒く「いつかコミックマーケットで誕生日席に座って頒布したいんですよ……!」と語った2017年、今年最後の日にそれが実現する運びとなったので、言霊もあながち迷信とは言い難い。夢や目標は語ったもん勝ちですね。

そういうわけで、コミックマーケット93最終日に出展しました。その雑感や反省を書いていきます。

 

■頒布物

個人誌『こんなはずじゃなかった』(A5サイズ/24P/200円)

印刷所が表紙を作ってくれるプランでの入稿を考えていたのですが、雪が舞い散りそうな真冬にふさわしい、白く綺麗な原稿と過ごす事態になり、白一色に題字のみという表紙になりました。

クリアPPの表紙でお願いした結果、冬の静電気+人混みによるホコリの舞い散りにより、表紙に細かいゴミが付着する仕様に。一見して何の本が分からず、衝動買いを誘いにくくなったのも反省点です。

ただ「こんなはずじゃなかったという題字も相まって哀愁ある仕上がりですね……」「むしろ目立っていいと思います!」という好評寄りの御意見も頂き、内容がすぐ分かる題字にできれば、かなりプラスの方向に持っていける試みなのかなとも思いました。

 

■頒布部数

160部

最初は50部刷れば足りるだろうと見積もっていたのですが、「正気か?」「考え直した方が良い」「自分の影響力を甘く見てんの?」との声を受けて、上方修正しました。

売れ残ったら在庫を背負いながら帰る羽目になるし、通販や書店委託が出来ないのに、こんなに刷ってどうすんだ……読みが外れるかも……と恐れていたのですが、13時半に完売してしまったので、嬉しくもあり悔しくもありました。欲しい方全員に行き渡らなかった点、それが、今回最大の反省です。

余るくらいがちょうど良いとも言われていますが、印刷費や在庫の保管を考えると、どうしても捌けるギリギリの量でしか刷れないですね……。複数回のサークル出展を考えていたり、書店委託をお願いしていたり、通販を行う予定があったり、お問い合わせを多く受けていたりした場合は、もっと強気に刷っても良いとは思います。

 

■当日の場所

東6ホール、大量の人が行き交い、シャッターが全開になる頒布場所でした。人の往来が激しく同人誌を手に取ってもらいやすい点では最高の位置ですが、体感温度でいえば最低の位置でした。産地直送、吹きたてホヤホヤの寒風が、容赦なくお届けされる環境。

サークル布は厚手が良いと言われていた理由、ようやく分かりました。薄っぺらいと風で旗のようになびくんですね。重量級のPOPスタンドが風により倒されたとき、己の無力さを噛み締めました。自然の暴力には為す術が無い。

開場直後からしばらくずっと、人の流れが本当に凄まじく、日本三大急流かな?と思いました。「封鎖してーーー!!」「通らないで下さーーーい!!」とスタッフさんの叫びと、大勢の参加者の足音が響く壮絶な状況。寒さとは別の震えが止まらなかったです。暴動一歩手前では……?

御手洗いが徒歩30秒圏内にあること、ゴミ捨て場もすぐ近くにあること、コミケスタッフの方々に「ここ凄く寒いですけど、頑張りましょうね……!」とお気遣い頂いたこと、そういう点では、とても良いスペースに恵まれたと思います。

 

■頒布して失敗した点

・お釣りを用意しすぎた

頒布物が200円だったので、100円玉×100枚、500円玉×50枚を装填して「お釣りなら任せろ!!」と迎撃態勢を取っていたのですが、ほとんどの方が200円ちょうどでお支払い頂いたので、ありあまる銀貨を前に両膝つきました。こんなはずじゃなかった。

お釣りが発生する場合でも、1000円札を出しながら「申し訳ないですけど……」って断りを入れる方が大半って、どういうことですか? 500円玉ですら「ごめんなさい、これで……」って差し出す方も多く、お釣りが出ることは何も申し訳なくないんですよ!!

結果論ですが、100円玉×30枚、500円玉×10枚で事足りたかなと思います。それか「頒布物が全てお釣りが出ずに売れた場合、増える硬貨の数」が入る程度のケースを持っていくべきだったなと思います……。

 

・買うお昼ご飯を誤った

携帯食料がオススメという情報を見て、いやいや、サークル参加者には椅子があるわけだし、おにぎりやサンドイッチくらい食べる時間は取れるでしょと思って無視したんですが、そんな余裕は一切ありませんでした。10秒チャージが理に適ってると思います。

壁サークルの方々は一体どうしてるんですかね? 複数人の売り子でローテーションを組むか、点滴で栄養補給するか、本体をバッテリー駆動に切り替えるしか対策が取れないのでは……?

 

■頒布して良かった点

・買って頂いた方から直の声が聞ける

私にとって、文章を書くのは孤独との格闘で、「これ喜ぶ人いるのか……?」「これ本当の本当に面白いのかな……?」「もう必要とされていないんじゃ……?」とロープのような疑問符に毎日毎日、首を絞められています。それから解放してくれるのは買って頂いた方からの声だなと強く思います。

いや、アレですよ。足を運んで頂いただけでも恐縮の至りなのに、立ち読みという形で自分の作ったものに人生を割いて頂いて、その上、「これ下さい!」とお金まで払って頂いて、「いつも応援してます!」「楽しく読んでます!」と笑顔で言って頂けるのなんて、五体投地するしかなくないですか? 自分、いてもいいんだ!! 書いていいんだ!!!と絶対的な肯定感を得られる。そんな芸当ができるの、神じゃないですか? 今回、百六十以上の神々に巡り会えた形になるのでは? 

 

・活力になる

今回の同人誌は、欲しい方全員に行き渡らなかったので、「十分な部数を刷れる、コミックマーケットに行かなくても買える、全国各地の書店に置いてある、そういう形式なら悲劇が生まれないのでは……」と考え抜いた結果、それ、商業書籍じゃんと至りまして。『ニーチェ先生』をより盛り上げればいいんですよね……!

もっと言えば、「文章を読みたい!」という声に余すことなく応えられる、Twitterという最高の舞台があるのでは……!! この熱の勢いのまま、2018年に向かいたいです。